ストーリーとは、ここでは子ども・若者支援の現場や実践の価値をよく表す場面やプロセスを、実践者がふりかえり、表現した文章を指しています。
子ども・若者支援実践の本来的な価値は、○○講座に○人集まりましたとか、就労に○人つなげましたといった数値・結果ではなく、日々の実践プロセスの一見小さな場面場面にあると私たちは考えています。ただ、日々の実践プロセスは、現場の外からはわかりづらく、また実践者たち同士も多くを共有しているとは限りません。自分たちの現場の価値を守り育て、果たしている社会的役割にふさわしい理解・評価・処遇を得ていくには、誰にでも伝わりやすい言葉で、自分たちを‘表現’し‘伝えて’いくことが大切と私たちは考えています。
そのため具体的には、次に紹介するイギリスのStorytelling Workshopから学び、実践現場の「ストーリーを語る・描く」取り組みを行っています。
実践者にとって、仕事を省察し、表現し、聴き合い、描いていく取り組みは、自らの仕事への理解を深め、気づきを得る機会になり、描き手以外の実践者も、ストーリーを聴き合い、読み合うことで、自分たちの仕事の理解を深め、同時に、実践者同士の関係・コミュニティを育て合えるはずです。そして、実践者同士の場で読み合われ、描き重ねたストーリーは、この仕事の社会的価値や担い手の専門性を、広く社会に伝える媒体になるだろうと私たちは考えています。
このサイトを通じて、ストーリーを語る・描く取り組みの裾野を少しずつ広げていくことをめざしています。